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5て、医療機器が開発されるのは米国のベンチャー企業であることが多いものの、実臨床で使用されるのはヨーロッパのほうが数年単位で早い傾向にあります。導入されたばかりの最新技術に関しては、当然ながら所属スタッフが手技を習得してから、次に留学生、という優先順位になります。早期に実臨床に導入されていれば、留学生という立場であっても、実際に最新の手技を経験できる可能性が高まります。 また、臨床に参加するという点で、米国への留学生は原則としてUSMLE(米国医師資格試験)に合格しなければなりません。一方、欧州では、国によって制度が異なるものの、米国ほど厳しい条件を課せられていない国もあります。そのため「最新の手技やデバイスを学びたいと臨床留学をしたつもりが、見学だけで終わってしまった」というようなミスマッチを防ぐことができます。日本では、医学部2023年問題もあり、USMLEを受験できなくなる医師も増えてくる可能性があります。そのようなリスクを考えても、今後、ヨーロッパへの臨床留学は、有力な選択肢となると考えられます。 さらに、臨床研究について学ぶためにヨーロッパに留学する医師も増えています。日本ではなかなか実現困難な大規模臨床試験の中核施設は、米国はもちろんですが、ヨーロッパにも多数存在しています。米国と比べればヨーロッパでは日本からはもちろん他国から来る留学生数も少ないということで、留学生が論文を発表するチャンスは相対的に高いと言えます。なお、英語以外を母国語とする国に留学したとしても、研究や論文発表自体は英語で行われることが多いので、研究活動においては、英語が話せれば問題ない場合が多いようです。

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