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10急増するMR−地球上で最も多い弁膜症−僧帽弁閉鎖不全症(mitral regurgitation:MR)に注目が集まっています.弁膜症といえば,以前は溶連菌感染後に起こるリウマチ熱の合併症として発生する僧帽弁狭窄症が主でした.しかし,今日の先進国においては衛生状態の改善によってリウマチ熱が稀になったことで,僧帽弁狭窄症は激減し,一方で高齢化に伴ってMRの患者数が増加しています.Mayo Clinicからの疫学研究では,70歳を過ぎてから弁膜症の有病率が急増していることが報告されました.特に75歳以上になると一般人口でも8人に1人以上の確率で中等度以上の弁膜症が認められます(図1).そして,弁膜症のなかでも大動脈弁疾患以上に僧帽弁疾患の伸びが際立ち,有病率も高くなっていることがわかります1). Framingham試験でも同様で,平均年齢が54歳の一般男性1,696人,女14121086420All valve diseaseMitral valve diseaseAortic valve disease(%)<4545~5455~64年齡65~74≧75有病率図1 僧帽弁疾患の有病率は年齢とともに急増(文献1より)
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