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13今なぜ、MRか?第1章MRの分類−Carpentier分類−MRの古典的な分類としてCarpentier分類が有名です(図6).Carpentier分類は,僧帽弁複合体全体の機能としての「僧帽弁の動き」に着目して,僧帽弁の動きが正常であるもの(typeⅠ),僧帽弁が過剰に動いているもの(typeⅡ),僧帽弁の動きが制限されているもの(typeⅢ)の3つにMRを分類します.僧帽弁の動きが制限されて生じるtypeⅢのMRについては,左房の拡大や僧帽弁輪拡大によって生じるtypeⅢaと,左室拡大(リモデリング),収縮機能低下,乳頭筋変位によって生じるtypeⅢbに細分化されます.日常臨床で出合う機会の多い,僧帽弁逸脱はtypeⅡ,虚血性心筋症や拡張型心筋症の左室リモデリングが顕著な症例はtypeⅢbにそれぞれ分類されます.もちろん,実際の症例では分類の難しい症例や上記の病態が重複して図5 僧帽弁閉鎖不全症の原因(文献4より)1. 僧帽弁弁尖の異常1)先天性 2)リウマチ性 3)感染性心内膜炎 4)外傷5)その他(Marfan症候群,Ehlers-Danlos症候群,カルチノイドなど)2. 僧帽弁輪の異常1)加齢による石灰化 2)膿瘍 3)心拡大に伴う拡張3. 腱索の異常1)先天異常 2)断裂4. 乳頭筋の異常1)先天性 2)断裂 3)機能不全

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