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5もMitraClipの導入が目前に迫っています.本書で述べていくようにMitraClipは僧帽弁閉鎖不全症に対する治療としてだけではなく心不全の治療デバイスとしても注目を集めています.世界に類を見ない超高齢社会となったわが国において弁膜症や心不全の患者数は増加の一途をたどっており,MitraClipのようなカテーテルを用いた低侵襲治療の需要は大きく,今後もますますその重要性は高まります.幸いにも私は2014年4月からStructural Heart Disease interventionの分野で世界の先頭を走るドイツに渡り,実臨床の現場で,これらの治療を経験し深く学ぶ機会に恵まれました. 弁膜症,そして心不全へのカテーテル治療はまだまだ発展途上で決して完成したとは言えません.だからこそ,この成長著しい分野についてもっとも積極的に取り組んでいるドイツでの経験を本書にまとめることで,この可能性に満ちた治療の息吹をぜひ,読者の皆さまに感じていただきたいと思いました.読者の皆さまにとって本書がこれからの循環器医療を考えるうえでの一助になれば幸いです. 本書の刊行にあたっては,たくさんの方々にたいへんお世話になりました.全員のお名前を挙げることはできませんが,なかでも,本書に推薦のお言葉を頂戴した,国立循環器病研究センター理事長・小川久雄先生,虎の門病院顧問・山口徹先生,そして貴重な留学のサポートをいただいた日本学術振興会の皆さまには,この場をお借りして厚く御礼申し上げます.2017年2月Heart Center Brandenburg金子英弘
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