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1063.Roux-Y脚の作成  水平から軽度の頭低位とし,大網,そして横行結腸を頭側へ翻転挙上する.助手は横行結腸間膜を把持して頭側へ圧排し,手術操作に必要なスペースを確保する.スケール付き無傷性鉗子を用いて腸管の長さを計測し,Treitz靱帯から50 cm遠位の空腸を自動縫合器45 mm(キャメルかホワイトカートリッジ)で切離する.腸間膜はLCSを用いて約5 cm切離するが,必要なら辺縁動脈も処理して挙上性を良好にしておく. 次に食物の通り道であるalimentary limb(AL)を150 cm計測して,膵液と胆汁の通り道となるbiliopancreatic limb(BPL)と吻合する.吻合は45 mmの自動縫合器を用いて機能的端側吻合を行う.まず,LCSで吻合予定部の空腸に小孔を作成する.AL側の小孔にカートリッジフォークを挿入して,その後アンビルフォークをBPLの小孔へ挿入する.ファイヤー後,ステープルラインから出血のないことを確認して,エントリーホールを腹腔鏡下に3 - 0吸収糸で全層連続縫合を行う(図5a-d).通常,漿膜筋層縫合を追加することは不要であるが,懸念があれば数針の結節縫合を追加する.4.結腸後ルートの作成と腸間膜間隙の閉鎖 Roux-en-Y再建では結腸前経路と結腸後経路が用いられるが,どちらが良いとの結論は出て 後の胃嚢作成に備えて胃と膵などの後腹膜との間に癒着等があればこの時点で剥離しておく.ALCLBPL共通孔ステープルラインの不形成,出血がないことを確認図5c自動縫合器挿入口をLCSで作成図5a自動縫合器挿入口を針糸で縫合閉鎖図5dALCLBPL自動縫合器で空腸空腸吻合を行う図5balimentary limb,biliopancreatic limb,common limbの位置関係を示す.

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