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 肥満症治療に関わる医師と医療スタッフを対象に,安全な肥満症外科手術の知識と手術手技との修得を目指して,2017年6月に『肥満・糖尿病の外科治療』を発刊した.本書は,「肥満症患者の病態と治療の基本」,「肥満・糖尿病外科治療総論」,「肥満外科治療の実際」,「肥満外科治療の準備とチーム医療」のテーマに分けて解説したが,手術テクニックからチーム医療の実際までを網羅している点から大好評であった.肥満症治療は急速に発展しているが,初版後3年となる今回の改訂では,現在求められる肥満症診療における最新知識,治療法と最先端の研究を取り上げ,書名を新たに『メタボリックサージェリー Clinical Update』として刊行に至った. 全体の構成として,「高度肥満症の病態と治療」,「高度肥満症に対する外科治療前の管理」,「メタボリックサージェリーの実際」のテーマでは,実際に高度肥満症と糖尿病治療に携わっておられるエキスパートの先生方が,安全で質の高いメタボリックサージェリーを目指して,活用していただきたいポイントを解説している.主要な手術については,手技のコツとピットフォールの解説に加えて,実際の動画をweb上で繰り返し確認できるように企画し,実臨床に役立つような工夫がなされている.また「メタボリックサージェリーの改善メカニズムと効果」,「肥満症研究とトピックス」のテーマでは,世界とわが国のエビデンス,興味深い話題や新知見を紹介しているので,こちらも参照していただきたい.本書を通じて,肥満症診療の初学者はもちろん,メタボリックサージェリーの導入や更なる知識・技術修得の向上を目指す皆様の日常診療に,必ず役立つものと確信している. 最後に,本書の査読を快く引き受けてくださいました石垣 泰先生,監修者である 龍野一郎先生と笠間和典先生をはじめ,教育・研究・診療でご多用の中,ご執筆いただいた先生方,そして魅力ある本書の企画をいただいた株式会社メディカ出版編集部の諸氏に深謝申し上げます. 2020年9月吉日佐々木 章巻頭言

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