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手・手指の骨折第1章槌指0113・陳旧例(受傷から6週以上経過):観血的整復,内固定もしくは鋼線刺入固定7).2. 腱性マレット 基本的には保存的治療で伸展位を保持する1).方法として以下の方法があるが一長一短がある.①シーネ固定(図1A):アルフェンスシーネを掌側もしくは背側にあてがいDIP関節を固定する.スワンネック変形が強いようであればPIP関節屈曲,DIP関節伸展位で保持することも考慮する.②スプリント固定(図1B):手の形に合わせてスプリントを作製する.伸筋腱を遠位へ移動させるためにPIP関節を屈曲位に固定し,さらにDIP関節を伸展位に保持するスプリントを夜間のみ装着する場合もある.③経皮鋼線刺入固定(図1C):指ブロック下にDIP関節をKirschner鋼線で固定する.筆者は最低でも6週間は固定期間をとっている.伸展ラグが残っているようなら取り外し可能なスプリントを継続する.特に夜間は装用するように指導する.受傷からの時期による選択・新鮮例(受傷から3週以内):上記いずれかの方法で伸展位保持する.・亜急性(受傷から3~6週):まずは保存的治療を行い反応をみる.20歳未満の場合は好成績が期待できることが多い.・陳旧例(受傷から6週以上経過):観血的に展開し,瘢痕を切除し縫合するか,縫縮する.一時的にDIP関節はピンニングして伸展位固定する.屈曲制限が出現する場合がある.伸展ラグによる治療法の選択 伸展ラグが大きい,すなわち完全断裂の場合には,約3週後に腱断端が瘢痕化して硬くなった時点で観血的展開,縫合をするという報告もある8).保存的治療1. 骨性マレット 急性期であれば経皮鋼線刺入固定が第一選択であるが,安静,感染予防が行えない場合は保存的治療を選択せざるを得ない場合がある.まったく転位がなければ,シーネ固定を約4~5週間行い,経過をみる場合もある.2. 腱性マレット 基本は保存的治療である.「治療法の選択」の項を参照のこと.3. 外固定の合併症 指背部の褥瘡に注意が必要である. スプリントは取り外しが可能な分,伸展ラグが残りやすい.伸展位保持を励行させることが重要である.図1 腱性マレットの治療法A:シーネ固定.B:スプリント療法.C:経皮鋼線刺入.ABC

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