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1101合併症をきたさないために必要な体位の取り方と手術器械と術後の管理に執刀医と助手が入り,健側に器械台と直接介助看護師を配置する(図2).イメージを使用する際は患側から入れると術野が不潔になったり,術者が移動しなければならないため,必ず健側から入れる. 上肢の保持はSPIDER Limb Positioner(Smith & Nephew)を用いている.安定して上肢保持が可能となるため非常に有用である. 股関節は深く屈曲しすぎると深部静脈血栓症のリスクとなるため,深く屈曲しすぎないように注意する.頭は上げすぎると脳血流低下をきたすため,head upは30°までにする(図3).体を術側に寄せるため,頭部は術中に上肢牽引したときに患側に落ちてしまわないよう,頭部の外側に手台を付けておく.頭部の位置によって腕神経叢麻痺が起こる可能性があるため気を配る必要があり,特に頚椎疾患の既往のある患る必要がある.糖尿病患者における周術期の血糖管理は,手術侵襲によりインスリン抵抗性が上がり,普段より高血糖の状態になるため,可能であるならば専門医の協力を得ることが望ましい.感染症対策 周術期における感染症対策は非常に重要である.感染症対策については「12 感染の予防と治療」を参照されたい.術中体位 不適切な体位で手術を行うことにより,術中の操作に支障を生じたり,神経障害や重大な合併症を引き起こす可能性があるため,体位を取る際の注意点を紹介する. 手術体位は上方アプローチ,三角筋大胸筋間アプローチ,腋窩アプローチ,関節鏡手術においてはビーチチェア位で手術を行っている.後方アプローチのみ側臥位で行っており,使用することの多いビーチチェア位での注意点を紹介する. まず,手術場のセッティングとしては,患側麻酔医看護師器械台麻酔器モニター助手執刀医メイヨー台図2 手術機器などの配置イメージ(文献3より)図3 ビーチチェア位(文献3より)図4 頚部の肢位と体幹固定(文献3より)

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