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1章術前計画の実際17術前作図2A.術前 テンプレート入力と並行して行うのが,術前作図です.昨今は高価なソフトを利用して電子カルテ上でsizingすることが容易になってきていますが,当院では紙,鉛筆,色鉛筆,サインペンなどでアナログに行う作図を継承しています. 自分が執刀しない症例であっても作図は必須です.作図をしてこそ,執刀医の気持ちを考えながら助手をできるようになるからです.執刀する時になって初めて作図するようでは手遅れです. 定型的な手術や短時間で終わる手術の時には描く必要がないと言う先生がいますが,それも違います.作図をすることによってかなりじっくりと1枚のX線写真に向き合う時間をとることになります.最初は作図そのものよりもこの時間が大事です.自分の描いた術前作図がいかに術後X線写真に近づくか,と格闘します. 当院では,骨折が関節内なのか関節外なのか,absolute stabilityとするのかrelative stabilityとするのか,そのためにどのようなインプラントを選択するのか,screw等の挿入順をどうするのか,の順で考えるようにしています. 慣れてくると最も多い質問となってくる,plate長の選択やscrewの配置と本数の考え方については,『AO法 骨折治療 Internal Fixators:LCPとLISSによる内固定』(2008年,医学書院)p.101-109に詳細が記載されているので参照してください. また『AO法 骨折治療 第2版』(2010年,医学書院)p.113-118でも術前作図の描き方について触れられていますが,ここでは描画する実際の手順をコマ送りにして示したいと思います.筆記具普通紙またはトレース用紙テンプレートシャーカッセン上/病棟にある共用下/藤原裕一郎先生が医局に置いている個人用,A4サイズ.2,000円程度で購入できるようです.X線写真準備するもの

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