402460020
6/18

6「準備がすべて」Introduction 外傷は整形外科のなかの大きな一つのdepartmentであり,日本の整形外科手術の約半数は骨折です.外傷を専門にするかどうかにかかわらず,きちんとした外傷教育を受けずに整形外科医を続けていくのは許されない時代となってきています. 私は2016年にAO Trauma Fellowshipとしてイギリスの外傷医療現場に触れる機会を得ました.イギリスでは,medical school卒業後にfoundation years(FY)2年,core training(CT)2年,specialty training(ST)6年を経てからspecialistとして登録します.その後,pelvic,hand,shoulder,footなどのspecialtyを身につけるべく1,2年の海外fellowshipに出る先生が多く,行き先はカナダ,オーストラリア,ニュージーランド,ドイツ,アメリカが多いようです.そして,帰国後に各病院のconsultant枠の空きを探してapplyしacceptされないといけません.そのための提出書類は約1,000ページにものぼるそうです.Consultantとなって責任を持って執刀できるようになるまでの道は長く,これと比較すると日本のほうが執刀するチャンスが早く巡ってくることが多いのではないかと思います. ですので,日本の若い先生は執刀するチャンスを大事にしなければならないし,「やってみるか?」と急に言われた時,「えっ!?」な

元のページ  ../index.html#6

このブックを見る