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17膝関節鏡視下手術第1章02関節鏡視で見えるもの① 関節軟骨,半月板軟骨面は通常の前方からの鏡視で伸展位でほぼ全域を鏡視できる.関節軟骨表面の新鮮損傷では関節軟骨表面に明らかな傷を認め(図6),陳旧性の損傷では軟骨表面の不整化や軟骨欠損による骨面の露出などを認める(図7).また加齢に伴う軟骨変性では関節表面の不整化を認める(図8).2.内側半月板 脛骨内側顆軟骨面と大腿骨内側顆軟骨面の間に存在する.正常では厚さは薄く,白色で表面は滑らかである(図5).半月板後方部は大腿骨内側顆に隠れて鏡視しにくいが,伸展位にすると比較的見やすくなる.半月板損傷のうち,関節表面に達している損傷では,関節鏡で損傷部が確認できる(図9).ただし,バケツ柄断裂などでは,損傷部が大腿骨内側顆に隠れて見えず,プローブを用いて内側半月板を引っ張ってみることにより,初めて確認されることもある(図10).3.外側半月板 脛骨外側顆軟骨面と大腿骨外側顆軟骨面の間に存在する.通常,内側半月板より厚く,幅も広い(図11).また屈曲位では内側に比べると外側関節裂隙のほうが開きやすいので,半月板も後方までよく見えることが多い.周囲の関節包との結合も弱いので,可動性も大きい.外側半月板バケツ柄断裂で関節軟骨損傷プローブを用いて損傷部の深さなどが確認できる.図2外側半月板裏側の損傷LFC:大腿骨外側顆,LM:外側半月板,LTP:脛骨外側顆プローブを用いて半月板の裏側を十分に確認する必要がある.図1LFCLMLTP小児離断性骨軟骨炎のMRI所見a:病巣部,b:関節軟骨関節軟骨表面は保たれており,このような症例では関節鏡によって関節軟骨表面からは病変部が確認できない.図3ab正常の大腿脛骨関節面F:大腿骨関節面,T:脛骨関節面,MM:内側半月板膝関節を徐々に屈曲することにより,前方部から後方部へ,ほぼ全域を鏡視できる.図5MMFT正常の膝蓋大腿関節面P:膝蓋骨関節面,F:大腿骨関節面関節軟骨表面は正常では白色の滑らかな面として観察できる.図4PF新鮮関節軟骨損傷P:膝蓋骨軟骨面,F:大腿骨軟骨面膝蓋骨軟骨面に明らかな傷を認める.図6PF

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