171股関節鏡視下手術02股関節鏡のポータル 第4章ら膝蓋骨中央に向け線を引き(図3A①),ALPからその線に垂直となる線を引く(図3A②).図3A②の垂直二等分線(図3A③)に,ALPから斜め前方に約45°の角度で7cm程度離れた場所がMAPである.ここから針を刺して関節内に到達するが,その際は図3A①,②の交点を目標とする.ただし関節が十分に開いている症例では問題ないが,camが大きい症例や下肢を牽引しても関節裂隙が広がりにくい症例などはこの位置では骨頭に針が当たり刺入できないことがあるため,この位置から頭側に移動し,やや近位から刺入する.3.Proximal mid-anterior portal(PMAP) 前述のALPから図3A①の線に向かった線を基準としてMAPの線対称の近位部に作製するが,実際には1横指程度やや遠位に作製すると操作がやりやすい.下前腸骨棘(anterior inferior iliac spine:AIIS)の観察やcamの前内側部分のosteoplastyを行う場合に有用であり,関節包のshoelace suture3)を行う場合に必要となる. 通常の大腿骨寛骨臼インピンジメント(femoroacetabular impingement:FAI)の手術であれば,この大半がALP,MAP,PMAPの3つのポータルで手術を行うことができる(図4,図5).MAP①③②7cm45°ALP※関節唇骨頭寛骨臼関節包ABCMAPA:①ASISから膝蓋骨中央に引いた線.②ALPから①に引いた垂線.③②の垂直二等分垂線. ALPから45°の角度で③に向かい約7cmの距離の部分がMAPとなる.B:針の方向は ①と②の交点(※)の深部を目指す.C:Bの鏡視像.関節唇を貫かないよう関節唇よりやや遠位から刺入する.図3MAPPMAPALP関節包(遠位側)関節包(近位側)骨頭ABCPMAPA:図3A②の線に対してMAPと線対称の位置よりやや遠位側がPMAPとなる.B:関節包縫合でMAPとPMAPを用いshoelace suture3)を行っている.MAPとPMAP間にULTRATAPE(Smith & Nephew)を通したところ(第1針目).C:Bの鏡視像.図4
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