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104症例見学 現在わが国における見学施設は、弘前大学医学部附属病院、山梨県立中央病院、東京医科大学病院、豊橋市民病院、三重大学医学部附属病院、倉敷成人病センター、鹿児島大学医学部・歯学部附属病院である。初回症例を実施する前に、エキスパートから手術手技を学ぶだけでなく、実際の症例にて安全性に配慮したオフサイトトレーニングまでの細かい点を再確認する。費用は施設により異なるが約5万円(1名)、所要時間は1日(1例以上)。5シミュレーション 初回症例の直前に、da Vinciチームのメンバーを含めた手術に関係する医療スタッフ全員でリハーサルを行う。Ⅱ実施基準 婦人科領域ロボット支援手術を行う施設は、日本産科婦人科学会で定められた、『「婦人科疾患に対するロボット支援下手術に関する指針」の改訂について』2)、および『高難度新規医療技術の導入にあたっての基本的な考え方』3)を遵守する。定められた要件を満たすまでは、患者負担もしくは、自費診療で行う。 なお日本産科婦人科学会の基準は、従来、『婦人科良性疾患に対するロボット支援下手術に関する指針』4)、『婦人科悪性腫瘍に対するロボット支援下手術に関する指針』5)となっていたが、婦人科領域のロボット支援手術の運用状況の把握と安全性の確保、さらには、悪性疾患に対する根治性の担保を可能にするために、2020年3月に改訂された。実施基準として冒頭に、「手術施行に際して、厚生労働省が保険診療として定めるロボット支援下手術に関しては、その適応と術式を遵守して行う。保険診療として定められていない手術適応や術式に関しては、関連学会の定める直近のガイドライン(産婦人科内視鏡手術ガイドライン・子宮体がん治療ガイドライン・子宮頸癌治療ガイドラインなど)に基づき、先進医療あるいは臨床試験として実施する」と規定されている。1施設基準 婦人科領域のロボット支援下手術における、新たな施設基準は以下の通りである。① 厚生労働省の定めるロボット支援下手術(内視鏡手術用支援機器を用いる場合)にかかわる特掲診療料の施設基準を満たしていること。② NCDに各施設で実施施設登録申請を行い(注1)、承認を受けたのち手術を実施すること。③ NCDの症例登録システムに沿って術前・術後に遅滞なく症例登録を行うこと。④ 本学会(筆者注:日本産科婦人科学会)の婦人科腫瘍登録施設で悪性腫瘍に対してロボット支援下手術を行った症例については、従来通り婦人科腫瘍登録にオンライン登録を行うこと(注2)。

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