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第一章 プロローグ 「視覚障害者は、どうしてお化粧するんですか?」か?」ということをあれこれ頭の中で考えていました。でも、どうにかしてテレビで取り上げたいという女性ディレクターの執拗以上の言葉攻めに「もう限界!」と思い、泣きながら「取材は受けません!」と訴える私に、ディレクターも泣きながら「明日の朝、大阪に行きますのでお会いしてください! お会いしてお話しさせてください! お話しするだけでいいですから! それで断られるなら諦めます!」と食い下がり、私との面会を切望するので「某テレビ局はもう見ないぞ!」と私に決意させるところまで感情が込み上げました。 その後も、「取材したい」「取材は受けない」という押し問答は終わることなく続きました。気が付くと二時間以上も電話で話をしており、夜中の一二時を過ぎていました。ここまで追いかけられると、承諾するまで彼女は電話を切らせてくれないと思い、とうとう諦めがついて、「もう、分かりました。明日一〇時に来てもらっていいです。お会いします」と言うと、「いいんですね! 良かったです! 明日一〇時にお伺いします」と元気に答えました。私は「お越しになられるのであれば、お越しください。お目にかかってお話をさせていただいて、納得していただいた上でなければ、取材に応じられません! そこをよくご理解した上でお越しください!」と言って、電話を切りました。21

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