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 本文では、「視覚障害者」と一言で括っていて、まるで「全く見えない全盲の女性」のみを対象としたブラインドメイクのレッスンをしているように思われるのかもしれませんが、実は一人ひとり「見え方」というのが異なっています。 大きく分けると、まずは生まれた時から視覚に障害がある「先天性の視覚障害者」と、生まれた時には晴眼者で、人生の途中で視覚に障害があることが判明して、視覚障害者となる「中途視覚障害者」に分けることができます。前者は生まれながらにして視覚に障害がある方で、その人にとっては、そこからの見え方が「スタート」になるわけです。そのため、後者の中途視覚障害者とは異なり、今まで見えていたものが、急に見えなくなる、あるいはだんだん見えなくなっていくなど、「見え方」に大きな変化を伴う方は多くありません。 しかし、後者の中途視覚障害者は、これまで見えていた、あるいは普通に晴眼者として日常生活を送っていた方が、急に見えなくなる、あるいは徐々に見えなくなっていく(これも人によって異なる)、視野が欠けている、狭窄になる、中心が暗点になる、まだらに暗点になるなど、これまで何人もの視覚障害者の生徒さんたちにブラインドメイクを指導していくなかで、人それぞれ「見え方」が異なることを知りました。そして、その人によってADL(日常生活動作)や、はじめに14

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