ちを忘れないようにする.時と場合によってはあえて完結せず,手術を分けたほうが安全な場合もある.適時,冷静に判断する.見届ける 手術が予定通りに終わっても,経過中の判断次第で最終結果が変化する.薬物療法の調整や追加など,手術の効果を最大限とするための努力を行う.手術を受ける側も人間であり,手術が成功したかの主観はそれぞれ異なる.術後の患者の症状が手術とはまったく関係ないことがしばしばある.患者本人にとっては手術と関係がないということはわからずに,心の片隅にずっと気になっていたり引っかかっていたりするので,それを聞くだけでも術後の安心感につながる.最終的に手術の結果に納得してもらえるかは,術後のフォローアップで決まってくると言っても過言ではない.眼科歴 30年(大学病院26年:うち2年半海外留学,1年国内留学,一般病院4年)総硝子体手術件数 不明1年間の硝子体手術件数 約320件(白内障手術 560件)略歴1989年 慶應義塾大学医学部卒業1989年 慶應義塾大学医学部眼科学教室入局1994年 杏林大学医学部眼科学教室(網膜硝子体Clinical fellow)1996年 Duke University Eye Centerに留学(Research fellow)2003年 慶應義塾大学医学部眼科専任講師2007年 杏林大学医学部眼科学教室准教授2014年 同 教授井上 真(いのうえ・まこと) 杏林大学医学部眼科学教室Prole第1章1私の手術哲学井上 真の手術哲学11
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