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眼科グラフィック2019年別冊 13OOOOOOOOOOOOOOOOOOO1 網膜血管病変1章糖尿病網膜症 OCTの導入により糖尿病網膜症に伴う黄斑浮腫はsponge-like retinal swelling,cystoid macu-lar edema,漿液性網膜剝離の3種類に分類されるようになった.しかし,OCTが高性能化されるにつれて,sponge-like retinal swelling,cys-toid macular edemaは共存することが多く,分類は難しいことがわかってきた.一方,糖尿病網膜症もしばしば漿液性網膜剝離を伴う.BRVO,CRVOと異なり,糖尿病網膜症に伴う漿液性網膜剝離は長期間継続し,また,いったん,軽快した後に再発することもある.通常,中心窩下に丸いドーム状の網膜剝離を認めることが多い. 糖尿病網膜症でのOCTの重要な所見としてhy-perreflective fociを挙げることができる.hyper-reflective fociはOCT上で確認される高反射点であり,その成因として種々のものが推測されている.糖尿病網膜症では網膜下液内や感覚網膜内に多数の高反射点として認められることが多い.こ図4 BRVOに伴うcystoid space内の出血,網膜下出血 A:中心窩の大きなcystoidspaceは出血を伴い,ニボーを形成している(矢印).B:Cystoidspace内の出血と共に,網膜下出血(矢印)も認める.中心窩下に貯留した出血は視力予後不良因子である.図5 血管アーケード外のBRVOに伴う中心窩下漿液性網膜剝離中心窩を含む大きな網膜剝離を認め,外網状層の肥厚を伴っている(矢印).BRVO領域の血管からの漏出により,外網状層を中心に黄斑浮腫が生じる.黄斑浮腫が中心窩近傍まで伝わると,Müllercellconeの作用により中心窩の網膜外層に牽引が生じるため網膜剝離が生じると考えられる.AB

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