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3監修にあたって 本書は「『視る』からはじまる眼科臨床専門誌」のコンセプトで2012年の創刊以来発刊が続いている「眼科グラフィック」のなかで,緑内障に関する特集から,「スゴ技」と称して実臨床に使用できる内容を吟味し,一部現状に合わせて改変してまとめています. 緑内障は,中途失明原因第一位の眼疾患で,現在も失明患者割合が増加しており,適切な診断と治療が重要です.診断は特徴的な視神経乳頭・網膜神経線維層の障害と視野障害との一致性を基本とし,眼圧・隅角検査で病型を確定していきます.そして,患者が生活の質を維持できることを目的に,長期的な経過観察により視野進行を判定し,進行を抑制するために,点眼薬やレーザー,手術により治療を行います.患者を緑内障による失明から守っていくには,やはりこの診断,評価,病型に沿った治療を適切に行っていくことが重要です. 近年,OCTを代表とした画像検査は波長の改良やトラッキング機能の追加などのハードウエアだけでなく,検査範囲が広角になり,非侵襲的な血管造影を可能としたOCT angiographyなどの発展も目覚ましいものがあります.点眼治療も世界に先駆けて本邦でのみ使用可能な,新しい機序の薬剤や配合剤の登場,また,手術加療ではMIGSの登場により緑内障手術のタイミングが変化しつつあります.こうして,この数年で緑内障領域の検査,治療の発展は著しく,緑内障診療の質を向上するためにも,さまざまなことをアップデートしていく必要があります. 本書では,検査・治療に関して,臨床に役立つ記事をまとめ,執筆者の先生方に現状に合わせて改変をお願いしました.また,新しい領域については新規執筆をお願いし,緑内障に関する情報のアップデートに努めました.経験豊富な緑内障エキスパートの先生方に,コツや新たな知識について,わかりやすく伝授していただくように構成されています.ぜひ,明日への診療にお役立ていただきたいと思います.2020年3月東北大学医学部 眼科学教室 主任教授中澤 徹

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