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12 低リスク群に属する患者の一次治療は、VEGFR-TKIであるスーテントⓇ、ヴォトリエントⓇが推奨されますが、肺転移のみの場合は予後良好と考えられることから、サイトカイン療法も選択肢として挙げられます。また、ネクサバールⓇは有害事象が比較的穏やかであることから、performance status(PS)不良の患者や高齢者に選択される場合があります。 中間リスクに属する患者の一次治療は、PD-1阻害薬(オプジーボⓇ)とCTLA-4阻害薬(ヤーボイⓇ)の併用療法、およびスーテントⓇ、ヴォトリエントⓇが推奨されていますが、その他の治療オプションとしてネクサバールⓇやサイトカイン療法が挙げられています。スーテントⓇとヴォトリエントⓇはともにVEGFR-TKIに分類されていますが、作用点が異なっていることから、有害事象の発現も異なります。スーテントⓇはヴォトリエントⓇに比べ倦怠感が強く出る傾向があり、PS不良の場合にはヴォトリエントⓇが選択されることが多いです。なお、2019年12月にペムブロリズマブとアキシチニブの併用療法8)、アベルマブとアキシチニブの併用療法9)がそれぞれ保険収載されました。いずれも、免疫チェックポイント阻害薬と血管新生阻害表3 進行腎がんに対する薬物療法の選択基準(文献2をもとに著者追記)分類推奨治療薬一次治療淡明細胞型腎細胞がん(低リスク)スーテントⓇ、ヴォトリエントⓇ(ネクサバールⓇ、サイトカイン療法)、ペムブロリズマブとアキシチニブの併用療法、アベルマブとアキシチニブの併用療法淡明細胞型腎細胞がん(中間リスク)オプジーボⓇとヤーボイⓇの併用、スーテントⓇ、ヴォトリエントⓇ(ネクサバールⓇ、サイトカイン療法)、ペムブロリズマブとアキシチニブの併用療法、アベルマブとアキシチニブの併用療法淡明細胞型腎細胞がん(高リスク)オプジーボⓇとヤーボイⓇの併用(スーテントⓇ、トーリセルⓇ)、ペムブロリズマブとアキシチニブの併用療法、アベルマブとアキシチニブの併用療法二次治療VEGFR-TKI後インライタⓇ、オプジーボⓇ(アフィニトールⓇ、ネクサバールⓇ)サイトカイン療法後インライタⓇ、ネクサバールⓇ(スーテントⓇ、ヴォトリエントⓇ)

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