データとは? 看護研究や医学研究をするようになれば、指導してくれている人から、「しっかりとデータを収集して、それらのデータを適切に解析した上で、研究結果を導き出しなさいっ」といわれるはずです。研究をする場合、研究目的に合ったデータを収集し、得られたデータに対して適切な統計法を選択して解析、そしてそれらの統計結果をもとに結果を出す必要があります。しかし、慣れないうちは、どのようなデータをどのように収集して、どう解析したらよいか、ぜんぜんわからない、と戸惑ってしまうかもしれません。 そもそも“データ”という言葉は普段からよく使いますが、それがどういうものかを知っておかないと、適切な統計法の選択ができなくなってしまいます。そのため、まずデータとは何かについてしっかり確認しておきましょう。 研究では、さまざまなことについて観察や測定をし、それらを収集、記録します。例えばつぎの研究をするとしましょう。“新たに開発された治療法は、今使用されている治療法に比べて手術後の離床までの時間を短縮できるかどうか?” このような研究をする場合、各グループでの離床までの時間を記録する必要があるのはもちろんですが、身長、体重、年齢、血中ヘモグロビン量などの対象者に関する測定値や、術前に認知症や歩行困難があったかどうかなどの情報に関しても収集、記録するのが一般的です。また、手術時間、術中出血量、輸液量、そして術後の鎮痛薬の使用量など、さまざまなことについても調査して記録します。 さて、データ(data)とは、このような研究で、各項目に関して複数の対象者から得た値や情報をまとめたものになります。1章 データの種類 15
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