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13自分のネタはどうやって出版社へ届くのかりました。きっと当時の研修医からしたら、勉強になる反面、迷惑でもあったと思います。何しろ上司から数日に1回、メールが送られてくるのです。それも、その中には自分たちが落ちそうになったピットフォール、いわば失敗談も含まれている。当時の研修医の先生たちはよく我慢して目を通してくれていたと思います。 しかし、そんなことを続けていると、「このピットフォールはメールに書いてありましたね」とか、「これは『救急外来で気がついたこと』のネタになりますね」などと、逆に研修医自身から声をかけられるようになったのです。また何人かの先生からは、内容の間違いや矛盾を指摘されたり、内容の根拠を求められたりするようになりました。そのディスカッションがなかなか面白く、自分自身の勉強の動機づけにもなり、とても楽しかった。 数カ月が経ち、項目が100を超えるようになったとき、本章の最初に紹介した「まとめて本にしてみては」という意見を研修医からもらいました。始めた当初は本にしようなどとはまったく考えていませんでした。でも項目が100を超えた頃、「たしかに研修医向けの院内の小冊子くらいにはなるかもしれない」とは思いました。やがて項目が数百を超えた頃、「もしかしたら本当に本になるのかも」と思いました。そして出版とその方法について本格的に考え始めたのが、『ER必携 救急外来Tips 1121』(日本医事新報社)を上梓する約2年前のことでした。自分のネタはどうやって出版社へ届くのか さて、本にする材料や原稿がなんとなく手元にあるとして、どうすればそれを書籍化できるのでしょうか。ゼロからのスタートです。何かを始めるときには「その分野の本を数冊読むことから入り始める」というのが自

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