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出版のためのノウハウ・アドバイスを紹介させていただこうと思いました。そして、出版を夢見る若手医療者やまだ無名の医療者の方たちへ、出版のお手伝いができればと思い、本書を執筆させていただきました。 本書は「読めば必ず出版できる」という類いの魔法の書ではありませんし、本書の内容が万人に当てはまる唯一の道しるべになるわけではないでしょう。しかし、「出版」という目的地にたどり着くための一筋の光として、右も左もわからない皆さんの足下を照らすことはできるのではないかと思います。 私のような地方のしがない一救急医でも、出版を通じていろいろな経験ができ、日本にいながら世界が大きく広がりました。若手医療者の方はその新鮮かつ斬新な切り口のネタを発信すべく、またベテラン医療者の方はその長く温めてきた知恵を萌芽させるべく、本書を活用していただければと思います。 本書の概要は、次のとおりです。 第1章では、さまざまな出版形式と、自分の原稿がどのように出版社に届いて本になるのか、導入部分を述べます。本書の目標は、出版社から本を出す「商業出版」の道筋をお示しすることです。本書全体で紹介しているふたつのアプローチ方法、著者側から出版社側に能動的にはたらきかける「能動的出版アプローチ」と、出版社側から著者側へ出版の打診を受ける「受動的出版アプローチ」について、この章から解説を始めます。 第2章では、「能動的出版アプローチ」の具体的な準備の仕方を提示します。ここではただ単に「原稿を持ち込めばいい」などという無責任なことをお話するつもりはありません。出版とは無縁の私たち医療者は、原稿を持っていても第一歩をどこにどうやって踏み出せばよいのかもわかりません。必ずしも完成原稿は必要ではなく、まずは何を準備するべきなのか、

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