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 心臓病の診療において心エコー図法は必須の検査です。もちろん医師が自分で検査を行うこともありますが、今はソノグラファー(超音波検査士)が心エコー図検査の主な担い手となっています。一人前のソノグラファーになるためには、循環器内科医と変わらない心臓病についての知識が必要ですし、装置を駆使して画像を描出する技術を身につける必要があります。私たちは、プロフェッショナルなソノグラファーを育成するため、講習会やハンズオンセミナーを企画し、講師として尽力してきました。しかし、ソノグラファーの病院内での地位が向上することはなく、社会においても〝ソノグラファー〟という職業が広く認知されているとはいえません。 そこで、私たちは、もっと多くの人にソノグラファーという職業を知ってもらう必要があると考えました。そして、そのためには〝マンガ〟がいいんじゃないか、というアイデアが生まれました。本書の一つの目的は、中高生にソノグラファーという職業がある、ということを認知してもらうことです。せっかくなので、心エコー図を勉強中のソノグラファーにも有用な知識をつけてもらうことができれば、とレクチャーコーナーを付け足すことにしました。マンガなので、面白いことも大事と考え、ストーリーや登場人物の設定などもいろいろ工夫を凝らしました。 本書の原作は現役ソノグラファーの小谷と現役エコー医の山田が担当しましたが、作画の小玉高弘さんは現役の看護師です。このような長編漫画は初めてということだったのですが、勤務の忙しい間に時間を作っていただき、素晴らしい絵を描いてくれました。また、進行の遅い私たちに気長に付き合っていただいたメディカ出版の渡邊亜希子さんには大変お世話になりました。私たちがずいぶん前から夢に見ていた心エコー漫画が、4人のチームワークでこうして形となり、世に出ることをとてもうれしく思います。ゆっくりですが続編も考えておりますので、今後の展開をご期待ください。 2020年6月山田博胤・小谷敦志

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