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Iレビー小体病とは何ですか?021小体」(corps de Lewy)という命名は、フランスのトレティアコフ(Trétiakoff C)によるものです。 レビー小体病では、このレビー小体という特殊な蛋白質が中枢神経系ならびに末梢自律神経系を中心に多数沈着しているのがみられます。それが、神経細胞の変性・脱落に伴うさまざまな障害をもたらすとされています。 レビー小体は、ドパミンやアセチルコリン、ノルアドレナリン、セロトニンを分泌する神経細胞に好発しますが、詳しい出現機序は十分にわかっていません。 なお、神経細胞突起(軸索および樹状突起)に現れるレビー小体病変は、「レビー神経突起」(Lewy neurites)とよばれています。 神経細胞内の封入体(円形の構造物)であるレビー小体[図表1-2]は、電子顕微鏡を用いると、線維が周辺に放射状に走っており、中央が顆粒状になっているのがわかります。ヘマトキシリン・エオジン染色を行うと、レビー小体はエオジンに染まります。脳幹に現れるレビー小体は濃い赤に、大脳皮質のそれは淡く見えます。 レビー小体の成分は、「αアルファ-シヌクレイン」(α-synuclein)と、それに結合する「ユビキチン」「ニューロフィラメント」「α-B クリスタリン」などの蛋白質とされますが、特に中心成分とされるのが140個のアミノ酸からなる「α-シヌクレイン」です。中枢神経および末梢神経にレビー小体の中心はα-シヌクレイン

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