501010141
3/16

003きた事柄について説明がなされています。 本書の性質上、詳細については成書に譲りますが、改訂にあたり、最新の知見をわかりやすい形でできるだけ盛り込むように努めました。また、初版では画像診断について紙幅を割きましたが、前述の「レビー小体型認知症(DLB)の臨床診断基準」ではMIBG心筋シンチグラフィが指標的バイオマーカーに格上げされ、MDSの新しいパーキンソン病の診断基準では支持的基準に入れられたことから、今版でも取り上げています。 レビー小体型認知症の患者さんの数は90万人を超えるとされますが、おそらく考えられているよりも多いのではないかとの実感を持っています。また、パーキンソン病の発症には加齢が関与しているため、2010年に超高齢社会に突入し、今後も高齢化が進むわが国では、今よりもさらに患者数が増えることは容易に予想されます。 そのため、脳神経内科医だけでなく、一般内科医や地域に根ざしたかかりつけ医などが両疾患についての知識を備えることは、非常に重要なことだといえるでしょう。しかし残念なことに、パーキンソン病などの診断や治療は、脳神経内科医であっても困難なことがあるため、医療にかかっていながら見逃されていたり、誤った治療を受けている患者さんも存在します。 臨床に携わる一人の医師として、本書が、そのような患者さんが一人でも減ることにつながれば、これに勝る喜びはありません。2018年8月 著者●織茂智之

元のページ  ../index.html#3

このブックを見る