004 ジェームス・パーキンソンによるパーキンソン病の発見は、今からおおよそ200年前に遡ります。また、アロイス・アルツハイマーがアルツハイマー病を初めて報告したのは、約110年前のことです。今では、パーキンソン病もアルツハイマー病もポピュラーな疾患としてよく知られていますが、「レビー小体型認知症」や「レビー小体病」というと、まだあまり馴染みがないかもしれません。 このレビー小体型認知症ならびにレビー小体病は、ここ数年、わが国でも世界的にも大きな関心と耳目を集めるようになってきた疾患です。レビー小体型認知症は世界に先駆けて日本で発見されたものですが、報告されてから約40年しか経っていません。レビー小体病という概念に至っては、ここ6~7年に10年ほどで専門家の間でようやく認識されてきたに過ぎないのです。 本書のなかで詳しく解説しますが、レビー小体病とは、パーキンソン病とレビー小体型認知症を包括する疾患概念です。両者はどちらもレビー小体に起因することから、同じスペクトラム、つまり同類と考えられています。 医療の世界では、この2つの疾患をレビー小体病として認識することが、今重要とされています。なぜなら、診断や治療、あるいはその後の介護を大きく左右することになるからです。また、レビー小体は脳幹や大脳皮質の神経細胞のみならず、全身の末梢まえがき[初版のことば]
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