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005自律神経系にまで及ぶことから、さまざまな自律神経症状を引き起こします。その意味で、パーキンソン病もレビー小体型認知症も、脳だけの疾患ではなく、まさに“全身病”といえます。 こうした理解の下、本書は、主に実地医家の方に向けて、パーキンソン病ならびにレビー小体型認知症を、レビー小体病という観点から紹介・解説することを目的につくられました。 具体的には、症状・診断・検査・病理などの基本的な事柄を理解できるよう、Q&A方式にてわかりやすく説明しています。なお、検査に関しては、鑑別診断に非常に有効だとされ、今もっとも関心を集めている心臓の核医学検査(これをMIBG心筋シンチグラフィといいます)についても頁を割いています。 パーキンソン病とレビー小体型認知症を合わせると、現在日本には少なくとも約90万人の患者さんがいると推計されています。しかしながら、そのなかには、診断がついていなかったり、誤った診断を受けていたりという患者さんが数多く潜在しています。したがって、こうした患者さんを早期発見・早期診断につなげることが、われわれ医師の役割といえます。そのためにも、本書が少なからず資することになれば、筆者としてこれに勝る喜びはありません。 最後に、本書の刊行に力を貸してくださったメディカ出版、ならびに編集者の尾崎純郎氏に感謝申し上げます。2011年 著者●小阪憲司

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