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私は21歳のころ、富山県に住む祖父母の遠距離介護で約3年間、仕事との両立や介護離職、看取りまでを経験しました。その時代は介護保険どころか、インターネットも普及しておらず、情報を得る手段として頼れるのは「タウンページ」のみでした。介護をしながら自分の将来にも不安を感じ、孤独に陥りながら、ただただ祖母の入院する病院と祖父の家を往復する生活を送っていました。そんな日々を頑張れたのは、祖母が出会った生活と関わる専門職の皆さんの声がけがあったからです。寝たきりで認知症症状もあった祖母が、次第に自宅に帰る意欲を出し、リハビリに取り組み、杖歩行での一時帰宅が許されたときは、どんなにうれしかったことでしょう。祖父母が導いてくれたおかげで、その後、私は介護を天職として、20年以上この世界で仕事をしてきました。時には利用者やケアマネジャーからお叱りの言葉をいただいたり、上司や部下とうまくコミュニケーションが取れずに悩んだこともありました。そんな思い出も、今では学びの日々だったと思えるようになりました。介護の仕事は人を元気にして、自分も成長できるすばらしい仕事です。世の中にはICTやAIが急速に浸透していますが、どんなに時雨のあとの虹のように悩みを晴らすヒントがここにはじめに

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