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3 序 ◉「医行為」と「医行為でない行為」について● 医行為とは医行為は、医師だけが行うことができる業務独占行為ですが、法律に具体的な行為が列挙されている訳ではありません。「医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ、人体に危害を及ぼし、または危害を及ぼすおそれのある行為」と理解されています。● 医行為でない行為とは高齢者介護・障害者介護の現場では、この「医行為」の範囲が、不必要に拡大解釈されていました。そのため、介護職が爪を切るのは医行為か、介護職が目薬をさしてよいのか、 排便で汚れたガーゼを交換してよいのかなど、どこまでを介護職が行ってよいのか迷うことも多く、わからないことは行えないという現状がありました。そこで、このような状況を改善するために、厚生労働省は「原則 医行為ではないと考えられる行為」を通知で示しました(原文は92ページ)。この通知を読み、「介護職が簡単な医行為ができるようになった」と理解している人がいますが、それは誤りです。介護職の職務が広がったわけではありません。現場で介護職が行えるかどうかを判断する基準として、「一定の条件を満たしていれば」「原則」「医行為ではない」と解釈される行為を例示した通知であり(左表)、あくまでも「原則」です。医行為ではない行為を理解するための重要ポイントを、以下にまとめておきます。本書に「医行為ではない行為」として書いてあるからOK、と短絡的に思い込まないでください。医行為であるかないかは、個別に、具体的に判断する必要があります。病状が不安定な人や専門的な管理が必要な人の場合には、同じ行為が「医行為」とされることもあります。厚生労働省の通知には、条件や行為要件が細かく示されています。いつでも、どんな状況でも、介護職が行えるわけではありません。例えば、薬を飲み忘れがちな人に“一包化された内服薬の服薬介助”をすること

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