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❶楽しく、おいしく食べられることの幸せ高齢者と低栄養の危険な関係1章みなさんが毎日食べている食事は、生きていくために必要な栄養を摂取するための大切な営みです。しかし、食事には、単なる栄養摂取だけではない重要な役割があります。私たちは、いつも食事をする時間になるとお腹が減る、つまり、空腹感を感じます。これは、食事の時間が私たちの1日の生活のリズムを整える役割をしているからです。私たちの体のなかには、体内時計という時を刻むメカニズムがあります。とくに、朝食をとると、体が目覚めて1日の活動を開始するといわれています。また、毎回の食事は、人生における大きな楽しみのひとつです。入院したことのある方のなかには、入院中、毎回の食事が唯一の楽しみだったという方もいるのではないでしょうか? 日常生活でも、今日は何を食べようかと考えたとき、ちょっとしたワクワク感を感じるのではないでしょうか? 食事は、大切な思い出とも結びつきます。いくつになっても食べたいものを楽しく食べられるということは、人生の大きな幸せにつながります。また、どんなものを食べるのが好きか、いつもどんな食事をしているのかは、その人らしさを表します。最後まで食べることを支えるケアは、その人の尊厳を守ることにもつながります。1.食事の役割と重要性ちょっと一言本書では、介護職の方はもとより、食事がとれない高齢者を支えるご家族にも参考にしていただけるよう、高齢者が食べることを続け、低栄養となることを防ぐための解決法などを、できるだけわかりやすく解説します。6
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