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10加齢により認知症が増えてくるだろうということは十分に想像できることですが、実際にこれを研究報告した資料1)があります。全国10市町における65歳以上の住民計約9,000人(無作為抽出)を対象にして行われた厚生労働科学研究の認知症に関する大規模研究によれば、2010(平成22)年の日本の人口に準拠して推定された全国の認知症有病率は15%で推定有病者数は439万人でした。2年後の2012(平成24)年時点の推定有病者数はさらに22万人増加し、約462万人と算定されています。また、認知症を発症する前段階とみられる軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI、p.42参照)の高齢者が、2010(平成22)年で約380万人(有病率13%)と推計されました。急激な高齢者人口の増加、平均寿命の延び、診断方法が進歩したしたことが認知症の頻度増加に影響していると考えられます。また、年齢別にみていくと75歳を過ぎると急激に認知症患者さんが増えてきて、平均寿命を迎える85~90歳でピークになっています(図)。全国の認知症高齢者数の439万人と軽度認知障害の380万人を合わせると日本全国で819万人です(2012年のデータによる)。これは、65歳以上のなんと4人に1人(推定)は認知症または認知症の発症前ということになります。わが国における認知症の有病率はどれくらいですか?1Q

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