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13①認知症とはどんな病気?中核症状と周辺症状(随伴症状)認知症の症状には必ずみられる中核症状と、中核症状に伴って起こる周辺症状(behavioral and psychological symptoms of dementia:BPSD)があります。中核症状としては、本質的な能力が障害されます。すなわち、記憶障害や判断力低下、見当識障害などが起こってきます(p.26参照)。周辺症状とは、一人で歩き回る徘徊、怒りっぽくなる、以前に比べて意欲が低下する、不安や幻覚がある、もの盗られ妄想がある、などの症状のことを指しています(p.28参照)。中核症状が進行するにしたがって、周辺症状が現れてくることがあります。アルツハイマー型認知症の症状アルツハイマー型認知症では、初期の症状としてもの忘れなどの認知機能障害が現れます。症状が進行してくるともの盗られ妄想、徘徊、取り繕い症状などが出てくることが特徴的です。レビー小体型認知症の症状レビー小体型認知症では注意力がなくなる、ものがゆがんで見える(視覚認知機能障害)などの認知機能障害もみられますが、「もの忘れ」などの記憶障害は目立たない場合があります。むしろ、最初の段階では錐体外路症状とよばれるパーキンソン病*1に似た手足のふるえ、筋肉の硬直などやうつ状態、幻視、幻覚などが、もの忘れに先行して現れることが特徴的です。また、睡眠時に大声で叫ぶなどの異常言動や立ちくらみ、めまいなどの自律神経症状もみられます。調子の良いときや悪いと認知症では、どのような症状が現れますか?3Q
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