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131 感染のしくみもう1つの感染経路として、器具があります。使用した器具を消毒しないで次の人に使用すると、前に使用した人の病原体が、器具を介して次の人に伝播してしまいます。同じ器具を使用しなければならない状況が、さまざまな場面で発生すると思いますが、必ず適切な消毒をして使用するようにしましょう。 空気感染とは❶ 飛沫核で感染する空気感染は、病原体を含んだ飛沫*の水分が蒸発し、飛沫核*(5μm未満)となったものを、気道や気管に吸い込むことで感染します。飛沫核は乾燥しているため、病原性を保ったまま、単体で長時間空気中に漂うことができ、他の人にまで到達します。❷ 空気感染による主な感染症結核、麻疹、水痘が主なものです。高齢者は結核罹患率も高いため、微熱や咳が2週間以上続いていたら注意が必要です。❸ 空気感染の予防策空気感染の予防策は、空気を遮断して、人から人への感染を防ぐことです。したがって、感染者を空調管理のできる個室に隔離する必要があります。空調管理がない場合は個室で管理し、部屋の扉は常に閉めてください。器具や器材は他の利用者と分け、ケア前後の手洗いと擦り込み式手指消毒薬による手指消毒も基本です。また、感染者はサージカルマスク、介護者はN95マスクを着用します。N95マスク*は必ず、隔離された個室に入室する前に介護者や面会者が装着し、顔とマスクの間に隙間ができないようにフィットさせることが大切です。 飛沫感染とは❶飛沫で感染する飛沫感染は、病原体を含んだ飛沫(5μm以上)を鼻腔や咽頭粘膜に吸い込むことで感染します。飛沫は水分を含んでいるため重く、ほとんどの場合、1mくらいで落下します。病原体については5章参照。ㅢㅢN95マスク ㅢ0.3μm以上の微粒子を、95%以上通さないマスク。結核対策などに用いる(99ページ参照)。飛沫と飛沫核 ㅢ飛沫周囲の水分が蒸発直径5μm以上飛沫核直径5μm未満*1μm(マイクロメートル) =1000分の1mm
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