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4④感染対策に利用者の協力が得られない場合が多いこと。たとえば隔離の必要性が十分に理解できず、居室に留まれない、マスクの着用や手洗いが十分にできない、などである。また、異食行動や不潔行動のため、擦り込み式手指消毒薬や個人防護具を廊下や居室に常備できない場合もあること。⑤在宅ケアでは利用者個人の価値観に影響を受けたり、限られた資源で感染対策を行わなければならなかったりすること。以上のような特徴がありますが、感染対策としての「標準予防策」の考え方は急性期病院と同じです。ただ、急性期病院でのケア、たとえば中心静脈カテーテルや人工呼吸器に関連した感染対策は多くの研究がなされ、エビデンス(根拠)に基づいた感染対策が定着していますが、口腔ケアや入浴介助など、日常生活支援に対する感染対策は十分に定着しているとはいえません。しかし、すべての職員(介護者)が感染対策を実践しなければいけないのは、高齢者の介護(ケア)の場面も同じなのです。今回、高齢者介護で多く実践されるケアや高齢者がかかりやすい感染症に焦点をあて、「何が危険なのか(×)」「何が必要なのか(○)」「対策をしなければ何が起こるのか」という視点で、介護施設で感染対策に携わった経験のある感染管理認定看護師が、実践に即した感染対策の提案を試みました。みなさまの参考になれば幸いです。2017年8月大西尚子
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