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5 はじめに2008年頃から盛んに「地域包括ケアシステム」という言葉が使われるようになり、各自治体でも取り組みが進んでいますが、「必要なのはわかったけど、今一つ腹落ちしない」、「何をしたらいいのかわからない」という声をよく聞きます。実際、入門書の類が少ないのもこの分野の特徴かもしれません。この本は、主に、地域包括ケアシステムにこれから関わろうとしている行政職・専門職の皆さんに向けた入門書として書かれています。また、行政職や専門職を目指す学生の皆さんに地域包括ケアシステムの入り口をご紹介することも目的の1つです。サクセスガイドと名付けられていますが、実際には、「これさえすれば成功する」というノウハウ本ではありません。地域包括ケアシステムは、地域の資源や地域生活の蓄積の上に作られるので、標準的なマニュアルを作っても、結局、地域の実情にあわせた自分たちだけのデザインが必要です。自分たちでデザインするためには、「目指す方向性」や「なぜ取り組みが必要なのか」といった基本的な目線が不可欠です。本書は全体が3部で構成されています。第1部では、地域包括ケアシステムの総論として、主に行政目線からみた地域包括ケアシステムを概観しています。6つのPart に分かれており、Part 1及び2では地域包括ケアシステムが目指している姿や課題を整理し、その取り組みの骨格を主に制度の面から解説しています。Part 3では、地域包括ケアシステムが求めら

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