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 団塊の世代、約645万人*が全員、後期高齢者になる2025年。既存の施設や病院だけでは、すべてのニーズに応えるのが難しくなるといわれています。そこで、医療や介護のニーズを減らそうと疾病や介護の“予防”が推進され、一方で、医療や介護が必要な状態になっても、できるだけ長く住み慣れた自宅、地域で暮らし続けるための仕組み、「地域包括ケアシステム」の構築が進められています。 「地域包括ケアシステム」は、住まい、医療、介護、予防、生活支援を一体的に提供できる仕組みです。住宅、施設、介護サービス等の数的な整備については、まだ十分ではありませんが、徐々に進んでいます。しかし、どんなシステムも、動かしていくのは人です。そして、地域包括ケアシステムにおいては、支えていく対象もやはり人です。数をそろえ、仕組みさえつくればそれでうまくいく、というものではありません。● ○ ● この本では、「地域包括ケアシステム」の中でも、特に多職種の連携からさらに統合へと向かっていく動き、人と人とのつながりを意識した「地域づくり」について取り上げました。 1章では、国内各地の地域づくりを、現地に足を運び、見て、聞いて研究している堀田聰子さんにお話を伺いました。なぜ地域づくりが必要とされるようになったのか。専門職には何が求められているのか。時代の移り変わりによる疾病構造や介護観の変化の分析などから、わかりやすく語っていただきました。 2章では、地域づくりのトップランナーたち10組の実践を4つのタイプに分けて紹介しました。いくつになっても暮らし続けることができる地域づくりで必要なものは何かは じ め に2

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