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8地域づくりはよりよいケアを目指してゆくと至るもの高齢化がますます進展している今の日本では、「地域包括ケア」の推進とともに、「地域づくり」の大切さが指摘されています。なぜ「地域づくり」が必要なのか。「地域づくり」に何が求められているのか。先進の地域づくりの各地に足を運び、キーパーソンの話に耳を傾けてきた慶應義塾大学大学院教授の堀田聰子さんにお話を伺いました。治すことが目標の「医療モデル」からQOL改善が目標の「生活モデル」へケア人材政策・人的資源管理を専門とする堀田聰子さんは、国内外各地を訪ねてよいケアと地域づくりに向けた取り組みを調査し、ケア提供体制やケアの担い手のあり方等について研究しています。超高齢社会となった日本(図1)において、なぜ地域づくりが強く求められているのかを尋ねると、その理由を様々な側面から語ってくれました。一つは、人口構成の変化に伴う疾病構造の変化です。「高齢化の進展と医療の進歩により、複数の病気や障害とつき合いながら、長く地域で暮らしていく人が増えてきました」と堀田さん。そうした人は、今後、高齢化がさらに進むにつれてますます増えていくことになります。治療して終わり、ではなく、病気や障害とともにある暮らしを地域で支えられる仕組みが必要になってきたのです。

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