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2 介護保険制度が始まったころ、石川県で家族面接の勉強会を始めようとしましたが、人が集まらず一度断念しました。その頃はまだ、家族をシステムとして理解する必要性に気づいている人が少なかったのでしょう。 2004年、あきらめかけていた私たちに力を貸してくれたのが、H市の障害福祉の担当者でした。仕事場DANの団士郎さんに家族理解のワークショップをしていただき、これをきっかけに継続した学びの場を持つようになりました。それが「団さんと家族面接を学ぶ会」です。団さんからは、一緒に継続して学ぶことでさまざまな立場の人たちの支援に役立つネットワークを作るという決意を求められました。こうして年3回ほど団さんの1日ワークショップと数年前からは年2回ほど家族造形法の早樫一男さんのワークショップを開催し、名前も「いしかわ家族面接を学ぶ会」としました。この会でつながったさまざまな立場の人たちと、困った時には助け合いながら「当事者の方たちにとっていい仕事ができているだろうか」と確認しながらこの15年間続けることができたのは本当に幸せなことだと思います。 私たちの会のメンバーに家族理解のワークショップの講師依頼がたくさん来るようになり、さまざまなところでお話をさせてもらっています。県内各地のメンバーが自分の持ち場で事例検討会や勉強会を気軽に行うようにもなってきました。地域包括ケアとか、子ども世代包括支援だとか、本人家族を中心にしたチームアプローチが必要な時代の手法として現場から求められていると感じるようになりました。 私たちは、現場で家族システム論に基づく実践を重ねるなかで、目の前にいる相手のことをもっと知りたい、理解したいという強い思いを叶えるために、どんな手法やツールを使えばいいのだろうと試し続けています。その試行のなかで、「これは役に立つよ」「このツール使ってみたらこんな展開になったよ」などと情報交換しながらその実践を少しづつまとめて形にしてきました。 この度、この15年の実践の積み重ねの中から現場で使えると感じた考え方と手法、ツールについてまとめてみようという話が持ち上がり、この本を出すことになりました。現場を持ちながらなかなか原稿が進まず2年もかかってしまいましたが、最後まであきらめず、私たちを支えてくださったメディカ出版の猪俣さん、編集に協力していただいた佐賀由彦さん、本当にありがとうございました。また、ずっといしかわ家族面接の会の学びを応援してくださっている団士郎さん、早樫一男さんにも心から感謝申し上げます。そして、今、本人・家族に心を寄せながら現場で実践に励んでおられる仲間の皆様にもお礼を申し上げたいと思います。この本が皆様の実践に少しでもお役に立つことを願っております。はじめに2019年2月いしかわ家族面接を学ぶ会寺本紀子・中恵美・林田雅輝・馬渡徳子

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