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………………………………12支援体制が必要となる。育児、家事の負担を軽減するための入院管理も場合によっては考慮される 3 産褥精神病  産後1週間頃に発症することが多く、一般的には2〜3か月で回復し、予後は良好であることが多い。1%未満の褥婦に起こる。・ 症状:抑うつ状態から始まり、幻覚、妄想、錯乱、せん妄、意識障害を来す。症状は変動しやすく、人格は保たれている・リスク因子:精神疾患の既往・検査:精神科医による診察・治療:薬物療法(向精神薬)が必要となる。産後うつ病同様、家族・医療・行政の支援も重要である topics:虐待死・心中  厚生労働省「子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について(第11次報告)」(平成25年4月〜26年3月)によると、1年間の虐待死は69人であり、そのうち33人が心中であった。心中の理由として、夫婦間のトラブルや保護者の精神疾患、不安が上位を占めている。また心中以外の虐待死36人中16人(44%)が0歳であり、主な加害者は実母であった。母の抱える問題として、「妊婦健康診査の未受診」「望まない妊娠」が挙げられ、妊娠中から母児支援が必要な対象を抽出し、支援を開始する必要があると考えられた。妊娠中からの母児支援には、医療機関と行政機関との協力が欠かせない。産褥HELLP症候群 HELLP症候群とは妊産婦や褥婦が溶血、肝酵素上昇、血小板減少を来す疾患で、妊娠高血圧症候群の関連疾患である。30%は分娩後に発症するが、特に分娩数時間後〜1週間以内が多い。腎不全、DICに進展することもあり、厳重に経過観察を行うことが必要である(表1-2,1-3)。必ずしも高血圧や尿タンパクを伴うわけではない。・症状:右上腹部痛、心窩部痛、嘔気、嘔吐、頭痛、視野障害・リスク因子:妊娠高血圧症候群・検査:バイタルサインの確認、採血・治療:血圧コントロール、必要に応じて凝固因子、血小板の補充表1-2Sibaiの診断基準溶 血間接ビリルビン>1.2mg/dL、LDH>600 lU/L、病的赤血球の出現肝機能障害AST>70 lU/L血小板減少血小板<10万/mm3

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